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笹幸恵
2025.2.1 13:14皇統問題

読売新聞社説、お茶を濁して終わらすな。

今朝の読売新聞社説。
皇位継承の議論 皇統の存続最優先に結論急げ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20250201-OYT1T50029/

次のように記している。
・皇室を将来にわたって維持していくことは多くの国民の願い。
・皇族の減少は深刻。
・女性皇族が当主となる「女性宮家」の創設を
先行して実現するのが妥当。

また、女性皇族の配偶者と子供を皇族とすることに反対し、
旧宮家の子孫を養子とするよう求めている自民党の意見を
紹介した上で、こうも述べている。

女性宮家を認めても一代限りでは、皇統が安定するとは言えまい。
また、長く一般国民だった人を唐突に皇族に位置づければ
違和感を覚える人は多いだろう。
伝統の尊重は大切だが、社会通念の尊重と一体で考える必要もある。

まったくその通りだよ、読売新聞!!!
さあ、もっと自民党の非常識っぷりを指摘して!!!

・・・と思ったら、話は国連の女子差別撤廃委員会の話へ。
政府が拠出金を委員会の活動に使用しないよう求めたことに対して、
こう述べている。

「カネの力で国際組織に圧力をかけるようなふるまい」だと政府を批判し、
勧告に「耳を傾け」よ、と主張する報道機関もあるが、
皇位継承のあり方は、それぞれの国の基本に関わる事柄だ。
国連の一付属機関が、一方的に見直しを要求すること自体、
筋違いも甚だしい。委員会が日本政府の抗議を受け付けない以上、
対抗措置を取るのは当然である。

なんだ、最後は政府のゴマすりか。
まったく煮え切らない記事だな。

カネをちらつかせた(しかも実効性のないパフォーマンス)のは事実で、
誠に品位なきふるまいだ。
「皇位継承のあり方は国の基本に関わる」というのなら、
直系という正統性があるにもかかわらず
女だというだけで皇位を継承できない制度を
維持しようとしている自民党(それは「皇室を将来にわたって
維持していくこと」にも反する)を徹底的に批判しなければ
筋が通らない。

「国連の一付属機関が、筋違いも甚だしい」などと
鼻息を荒くする前に、
「日本は誰に言われるまでもなく女性への不当な差別を
撤廃する。皇位継承も然り」
と言えばいい。
皇位継承を男系男子に限定していること自体、
たかが明治から始まったことに過ぎず、
男尊女卑の風潮があって決まったことなのだから。
それが皇室を将来にわたって維持していくことなのだら。
それが多くの国民の願いなのだから。

中途半端なゴマすりでお茶を濁している場合じゃないよ。
今こそ大新聞の胆力が示される。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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